30年以内に70%の確率で発生するとされている首都直下地震。
23区だけで約1000万人が暮らす超過密都市を襲う大地震には
過去の教訓だけでは計り知れない恐怖が待っている!?
10年ぶりの新想定で死者が減少!?
2022年、東京都は首都直下地震の新たな被害想定を発表しました。
想定される死者は最大6100人。
10年前の想定の9600人から30%以上減少しました。
想定の死者が減少した要因は主に2つです。
- 建物の耐震化が進んだことで家屋倒壊による死者が減少
- 木造住宅の密集地域が減少したことで火災による死者が減少
この10年間で進んだ防災対策の成果が新想定にも反映された形です。
しかし、今回の新想定の注目点はここではありません。
本当にヤバいのは…
新想定の第1章には、次のように書かれています。
現在の科学的知見では、客観的に定量化することができる事項が限られるため、
被害数値のみをもって、首都直下地震等の発生時の被害実態とすることは、
発災時に実際に都内で起こりうる被害を過小評価することとなり…
6100人という死者の数は「実際の被害を過少評価している」と
想定の冒頭で述べられているのです。
実は、6100人という死者の数は、家屋倒壊・火災・土砂崩れなど過去の地震被害などから
数字として導き出せるものだけを集計した数字なのです。
それら以外の要因で死亡するケースがあったとしても
「計算不能」ということで計上されていません。
そこで今回の新想定では“数字では表せないけど、こういうことが起きるよ”という
「定性的表現」による被害の様相が盛り込まれました。
ここにこそ、首都直下地震の本当のヤバさが隠されているのです。
「想定外」だらけの首都直下地震
新想定の定性的表現のなかには、過去の災害では見られなかった
首都という過密都市ならではの「想定外」がたくさんあることがみてとれます。
(新想定の定性的表現を要約)
- イベント開催中の施設が倒壊した場合は死傷者数がさらに増加する
- 救急車が不足し搬送が間に合わず重傷者が死亡する
- 繁華街やターミナル駅の混雑時に落下物等に多数の人が巻き込まれる
- 建築現場の足場の倒壊で多数の死傷者が発生する
- 建物の中高層階で家具等が激しく移動し死傷者が増加する
- 小規模な避難所に殺到した避難者が火災に巻き込まれ多数が死傷する
- 電車の脱線事故により死傷者がさらに増加する
- エレベーターに半日以上閉じ込められ、熱中症等で健康状態が悪化する
- パニック等により群集雪崩が発生し多数が死傷する
- ゼロメートル地帯で地震洪水が発生する
ざっと上げただけでもこれだけの「想定外」がありました。
こうした事態は死者数の想定には含まれていません。
これらが現実になれば実際の死者数は飛躍的に増加する可能性があるということです。
「想定外」だらけの首都直下地震、あなたは生き残る自信がありますか?
次回以降は、こうした想定外のケースを具体的に検証して
首都直下地震でなぜヤバいのかを考えていきたいと思います。



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