東日本大震災では全国から救援が岩手・宮城・福島に集結しました。
より被害が広範囲に及ぶと想定される南海トラフ巨大地震でも
同じような救援を期待できるのでしょうか。それとも…。
被害想定は東日本大震災の10倍!
南海トラフ巨大地震の被害想定では、
〇全壊・焼失する建物は最大238万戸
〇救助が必要になる人は最大34万人
〇避難所に避難する人は最大500万人と
いずれも東日本大震災の10倍以上になると想定されています。
(中央防災会議 平成24年・平成25年)
これは、想定震源域が東日本大震災よりも陸側に近く揺れの被害が大きくなること、
津波がより早く到達するため避難できる時間が短くなること、
被害を受ける地域に静岡県・愛知県・大阪府など
人口が多い地域が含まれることが関係しています。

「未曾有」と言われた東日本大震災の10倍の被害が生じる南海トラフ巨大地震。
まさに”桁違い”の被害によって何が起きるのでしょうか。
3日耐えれば…被災地の常識が覆る?
これまでの地震災害では「大震災」といえども
発災から3日程度で生存者は救助され、外部からの被災者支援も始まっていました。
しかし、南海トラフ巨大地震では、被害が広域・甚大すぎて
これまでのようにはいかない可能性があります。
たとえば、全国の消防が被災地に応援に駆け付ける「緊急消防援助隊」。
東日本大震災では、全国から約3万人が岩手・宮城・福島の3県に集中投入されました。

南海トラフ巨大地震では、静岡・愛知・四国など10県が重点受援県として
緊急消防援助隊の派遣対象に想定されていますが、投入される予定の人数は約2万人です。
東日本大震災より被害は大きいのに被災地へ応援に出せる部隊は減ってしまうのです。
応援を受ける県の消防は応援に行けませんし、応援を出せない県も増えると考えらます。
このため、救援に来てくれる消防部隊は東日本大震災の5分の1程度に減ってしまう計算です。
単純に考えれば、3日かかっていた生存者の救出に2週間かかるかもしれません。

「被災地で数日間耐え抜けば、全国から救援が来てくれる…」
これまでの常識は南海トラフ巨大地震では通用しません。
1週間たっても2週間たっても、場所によってはもしかしたら1か月たっても
救援は来ないかもしれないのです。
脱出せよ!生き延びるために
被災地に外部からの救援が来なければ、
来ても不十分であれば、状況は刻々と悪化していきます。
そしてそれは、多くの被災者にとって生命の危機を意味します。
ならば、取りうる戦略は被災地を「脱出」することです。
被災地から離れれば、そこにはふだんどおりの生活があります。
能登半島地震などでも「二次避難」」という形で一部取り入れられましが、
南海トラフの巨大地震でこうした二次避難を想定している自治体はほとんどありません。
災害への対応は自治体の中で完結させるという従来の原則から変わっていないのです。

被災地から脱出するためには、
実家や友人・知人宅など避難先となりうる場所、
そこまでどのように移動したらいいかをあらかじめ想定しておく必要があります。
もし、あなたが南海トラフ巨大地震で大きな被害を受ける地域に住んでいるのなら、
まずすべきことは、食料の備蓄でも避難所の確認でもなくて「脱出先」を決めることです。



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